イタリア紀行 その4

はい、続き。
暇と興味の以下同文。


5日目。今日はヴェネツィア
朝食後、今度はまっすぐヴェネツィアへ。
が、高速に乗った途端、すごい霧! おいおい、10m先とかも白いんですけど!
その視界劣悪な中でも80km/h以上を出すイタリア人運転手……流石だ。日本人には真似できない、つーかイタリア人の運転技術は(いろんな意味で)凄いので、日本人は、イタリアではレンタカー借りて移動、なんてことはやめた方が良い。うん、無理。急な割り込みとか、高速で車間距離ほぼ0とか、絶対真似できないから。


それはともかく、昼前にはヴェネツィアに到着。
今回のお宿(ここは一泊のみ)のソフィテルに大荷物だけ置いて、いざ昼食へ。
イカ墨パスタ(沖田番はイカ墨が大嫌い、だが、今回は食べてた。このイカ墨は結構美味しかったです)と海鮮フライ(……としか云いようがない)、カップのアイス(notジェラート)。
水(他所では大体2〜3ユーロ)が、ここでは4.5ユーロもする……富士山の頂上で食べるサッポロ一番みたいなもんだな(←一杯¥400-なり)。運搬に費用がかかる(車が入れないからね)ので、仕方がないんだけど。


でもって、その後、サン・マルコ広場へ行き、まずはヴェネツィア共和国元首(この辺では“ドージェ”と云ったのです)の館へ。
歩くと床が揺れる――と思ったら、ヴェネツィアの建物は、基本的に煉瓦と木でできていて、床の大理石、と見えたものは、モザイクにした張物なんですって。大きな広間とか、30人くらいで歩くと、ゆさゆさ、ゆさゆさ。うーん、地震かと思っちゃうよなぁ。
ドージェの館、とにかく天井などの絵が凄い! ティントレット、ティッツィアーノ、その他もろもろのヴェネツィア派の絵画の傑作がずらり!
ヴェネツィア派、そんなに好きじゃない(色が鮮やか過ぎて)のですが、やはりすごいのはすごいです。
あとね、14世紀くらいに嵌められたと云う、丸い吹きガラスを繋いだガラス窓がCute! 真ん中あたりがほんのり色がついてて(ピンクとか緑とか青とか黄色とか)、今でも全然古びてない。流石はヴェネツィアン・グラスの本場、凄い贅沢です(16世紀初頭、ルネサンス黄金期のフィレンツェ、ヴェッキオ宮も、窓ガラスは入ってなかったのに!)。


で、“嘆きの橋”と牢獄を回って、次はサン・マルコ寺院へ。
ここもモザイクが凄い! しかも、床だけじゃなくて、壁の絵もすべてモザイク! 金色の部分なんか、透明なガラス+金箔+透明なガラスでモザイクにしてるんだそうで。すごい手間とコスト、だがすごい情熱だ!
サン・マルコ寺院は、カトリック圏のくせに、東方正教会的、ビザンチン様式の教会で、トルコのアヤ・ソフィアとかみたいな作り。
先生も、第一ミラノ期のあと、ここへ来たことがあったそうだけど、サン・マルコ寺院を見て、きっと感動したんだろうなァ、と思いました。


で、その後、ちょっとのフリータイムを経て、ゴンドラに。
6人一組で、グラン・カナルまで出て戻ってくるコースだったのですが――
ううーん、なんか、もの淋しい気分になった……グラン・カナルまでは、当然普通の細い道を通るのですが、そこあたりの水路に面した戸口がね……結構下のほうが水に浸かって腐ってたりとか、完全に外してあって、しかも部屋が使われてなかったりとか、何かうらびれたカンジでね……
ああ、本当に水に沈んでくんだなぁと、ちょっと侘しい気分になりました。
ガイドさんによると、ヴェネツィアの街は、出来てから1.5mほど沈んでいるのだそうで。ここ数年、地盤の沈下は止まっているそうですが、やっぱりそのうち沈むんだろうなァ、と思うと、何だかかんだか。
まぁ、沈む前に来れて良かったのかもね、と思うことにする。


ゴンドラが終わるとフリータイム。食事は自力で、と云われても、ただでさえ高いユーロ&高いヴェネツィアの物価では、碌な飯の食えるはずもなく。
リアルト橋近くのバールで、パスタ(クリームソースがベースのトルッティリーニ)とカプチーノで夕食。トルッティリーニは、もともとロンバルディア地方のパスタで、そっちではコンソメベースらしいのですが、食べれただけでも良し。
ゴンドラで冷えた身体をコーヒーで温め、リアルト橋からヴァポレット(水上バス)に乗って宿に。


以上、5日目終了。
続きます。