小噺・銀魂!

「……土方さん、何読んでやがるんで……ってェ、あァ、例のアレですかい」
「ん? あァ、昨日、新刊が出てたからなァ、やっと終わったぜ、真選組動乱編」
「伊東参謀が出てたんでしたっけ。ってェ、あァ、俺らの知ってる伊東さんとァ、かなりいろいろ違ったおひとですねェ」
「名前からして違うだろ。こっちァ“鴨太郎”だ、“鴨太郎”!」
「何か、芹鴨とかけ合わせたみてェな名前ですねェ(笑)」
「まァ、芹鴨だろうが伊東参謀だろうが、どっちでも構やしねェが、どっちにしても、こっちの鴨の方が、何倍もマシに見えるぜ」
「まァ、伊東(甲子太郎)先生ァ、学は深ェが知恵ァ浅ェおひとでしたからねェ」
「それを云うんなら、こっち(銀魂)の高杉の方が、まっとうってェ云い方ァおかしいが、勤皇志士っぽく見えやがるがな」
「俺ァ、こんな高杉ァ、ヤバすぎて御免ですがね。――それにしても、あんたん頭ん中の奴ァ、どんなヘタレなんですよ……」
「あ? どうも高杉の野郎ァ、飲んだくれてる覚えしかなくってな」
「……まァ、それァ俺も同じですがね。だけど、高杉も、長州ん中じゃあ重鎮だったみてェですし、よもや飲んだくれてばっかってェわけじゃあなかったんでしょうけどねェ」
「まァ、こんな高杉(銀魂)にゃあ、徳川の世は倒せなかっただろうさ。……しかし、桂さん……(涙)」
「あァ、ヅラの方ですかい? ――こんな桂さんだったら、俺らァ簡単に捕まえられそうですがねェ」
「こんなのァ、こんなのァ桂さんじゃあねェ……!(泣)」
「あんた、どんだけ桂さんに夢見てんですかい。桂(小五郎)さんだって、乞食に化けて、俺らの目ェかいくぐったりとかしてたじゃあねェですか」
「それとあれ(=女装etc.)とァ、話が違わァ! 俺ァ、あん人が練兵館の塾頭だった時から、ずっと大した人だと思ってたのによォ……」
「や、あの(=銀魂)桂さんは、あんたの云ってる人と違いますから。――大体、それを云ったら、あの“副長”なんざ、まったくの別人でしょうが」
「まァ、俺ァマヨラーじゃあねェからな」
「や、あんたァ、あんな格好よかァねェですからねェ。どっちかってェと、トッシー……?」
「!!! 俺ァ、あんなヘタレオタクじゃねェ!」
「まァ、違いますよねェ、ああいう“オタク”じゃあありませんからねェ」
「おめェは、俺のことを何だと思ってやがるんだ……」
「え? 土方さんでしょう?(にこ)」
「そういうところが、おめェも、あの総悟ってのも、よく似てやがるぜ……」
「え、あァ、見た目可愛いところとかですかい?」
「そういうもの云いしやがるところがだ!! ……俺より三寸ばかりも高ェ、でけェガタイのくせしやがって……」
「(にこ)まァあんたァ、銀さんとトッシー足して二で割ったらちょうどなんでしょうさァ」
土方十四郎は!」
「あれァ、空知ってェお人の、“ドリー夢”ってやつでさァ。派手に散った人ってのァ、いつだって綺麗な夢語りにされちまうもんですからねェ」
「……(反論できない)」
「まァいいじゃねェですかい、愛されてるっていうことで!(爽笑)」
「(畜生、まとめに入りやがって……)――そう云やぁ、聞いた話だが、何か、俺とおみつさんが実はいい仲だったってェことにされてるらしいぞ、世間では」
「は? “おみつさん”ってェのァ、俺の姉上のことですかい?」
「あァ。山南さんに聞いたんだがな。何でも、俺がおみつさんのことを好いていて、人妻にァ手ェ出せないってんで、おめェと……ってことらしいんだが」
「ぶは!! 俺ァ、姉上とァ似てねェってのにねェ! 第一、あんたと俺じゃあ、“電信柱に蝉”ですぜ!」
「そこまでガタイァ違わねェだろ! それ以前に、俺ァおみつさんにァ、本当に数えるほどしか会ってねェんだぜ。しかも、しっかり言葉をかわした覚えのあるのなんざ、おめェが植甚に世話んなるってェあん時くらいだしな」
「まァ、弟の俺からして、ほとんど会ってませんでしたからねェ。むしろ、あんたんとこのおのぶさんの方が、俺の姉貴みてェな気分でしたぜ」
「まァ、小遣い貰ってたりしてやがったからなァ。――しっかし山南さんも、相変わらず不思議なことを知ってるよなァ」
「あん人ァ“もの識り”ですからねェ。しっかし、あの漫画に山南さんが出てなくて、本当に良かったですぜ。あの空知ってェお人にかかっちゃあ、山南さんもどんな奴にされちまうんだか、想像もつきませんや」
「それを云うなら山崎だ。あれ(=退)ァ、崎(=烝)が見たら何て云うんだかなァ」
「崎さんなら、笑い飛ばしそうな気もしますがねェ。はっきり云って崎さん、あんたよりしっかりしてますからねェ」
「やかましいわ!」
「でもまァ、あれですねェ、この漫画、割合に俺たちに好意的ですよねェ。あんたも、本当に格好よく描いてありますし」
「あァ、まァな。どっちかと云やァ、あれの近藤さんの方が、俺としちゃあ好きだなァ」
「何抜かしやがるんでさァ! かっちゃん先生だって、勲さんに負けずにいい男ですぜ!」
「……ストーカーなゴリラと張り合うのかよ? その時点でヤバかァねェか、かっちゃんも……(溜息)」
「! ちょっとかっちゃん先生に好かれてるからって……あんたァ、そういうところァ、あの十四郎って野郎とそっくりでさァ……!(泣)」
「何でそこで、おめェが泣くんだよ?」
「あんたがいなけりゃあ、俺がかっちゃん先生の一番だったはずなのに……!(ちゃき)」
「うわ、待て総司! 刀を抜くな、私闘は切腹だーっ!!」
「大丈夫でさァ、ここであんたを殺っちまやァ、知ってるのァ俺だけですからねェ(くくく)」
「冗談じゃねェ、俺ァ逃げるぜ!(脱兎)」
「あれ、行っちまった。――まったく、ああいうとこァ、十四郎さんと云うよりァ、銀さんに近ェんだから……」


† † † † †


阿呆話at地獄の六丁目。ぎんたま〜。
銀魂わかんない方は、ごめんなさい。


動乱編終わったので、早速きましたぜ。
もう面倒なので、単語の間に/入れたりとか、そう云う検索避け小細工は致しません。
なので、“銀魂”で引いてうっかり来ちゃった方はゴメンナサイ。でも、うちは“新撰組”なんで、“真選組”じゃあないんで。今回はネタなんで、すみませんが宜しくお願いしますです。
苗字だけだと混乱するので、()内にいろいろいれましたが……結構これはこれで読み辛いな……


とりあえず、銀魂自体は、普通に面白く読んでます。
今回、何故か腐女子萌えもしないので(まァ、銀さんがアレだしな……)、本当にフツーに。
実は、真選組が出てない話(ホスト編とか紅桜編とか幾松さんの話とか、20巻だと第169訓とか)が結構好き。真選組関係だと、こないだの動乱編と、おみつさん、じゃなくてミツバさんの話、あと煉獄関の話と第75訓!


個人的には。
銀魂なら、近土でも土近でもまァいいや、と云うカンジです。十四郎くんは鬼じゃないからな(笑)。勲さんもかっちゃんじゃないし。
あと、勝さんが(今のところ)出てなくて、本当に良かった……! まァ、『士道』(高橋ツトム)とか『仁-JIN-』(村上もとか)とかでもよく出てる勝さんのこと、今後出ないとは云い切れない(は! 今上げたの、全部集英社のコミックじゃねェか……)のですが。
あァ、松平のとっつぁんの話をしませんでしたが、容保さんの方がいい、のかな? しかし、話をしやすそうな上役は、とっつぁんの方ですが。
似蔵よりは以蔵、アゴ先生は半平太の方で。杉は……同人系ヘタレ杉は大好きですが、原作となら晋作が好きだなァ。あ、辰馬と龍馬は――龍馬わかんないので、敢えて辰馬で。桂さんは孝允さんの方ォ〜!
万斉と特盛は、元の方を(よく)知らないので、銀魂の方で。特盛さん、好きです。
総悟と総司はあんま変わらん――バズーカない分だけ総司、か? 見た目はどっちでも……やっぱ総司で! (総悟と並んだら、鬼がもてなくなるじゃねェか!) 山崎も、烝の方で! (退だと、使い方に苦労しそうだ……)
そんなカンジ?


さて、次は鬼の北海行〜。
例の「漆のような髪を長う振り乱してある」あたりの話(笑)、のはず……